#03 ハワイにて


アイドルヲタで擬似恋愛の感情を少しも持ってない奴なんているのか?結婚(しかも妊娠とくれば)というのはヲタの終幕の一つの形である。あの日、アイドル辻希美は死んだのだ。


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「俺の推しメンは清純派だから安心だもんね〜」なんておめでたいこと思ってる奴らに限って、積極的に辻を叩いてる。その実、内心は戦々恐々としていて、辻だけが特別に悪いやつだということにすることで、自分の世界を必死に守ろうとしてるだけのように思える。
はっきりいってやるよ。辻は決して特別じゃない。明日は我が身、それは常に覚悟しておくべきだ。俺の微少な経験による偏見で申し訳ないが、女ってのは感情的な生き物だ。一時の感情だけで自分の未来決めやがる。辻のパターンだけじゃなく、紺野や福田のようにアイドル業に見切りつける場合もある。キッズだから安心なんてことはない。村上愛の例を忘れたわけじゃないだろう。
まあ、俺の推しの藤本美貴なんて、言うまでもなく感情的な人だから、マジで明日どうなるか分からん(藁)SOG2(スピリッツ・オブ・ガッタス2)やヤンタンなど各ラジオで明らかにされたが、ガッタスのハワイツアーでこんなことがあったらしい・・・。


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藤本美貴は、ガッタスのハワイツアーはファンクラブイベントとしてだけでなく、ガッタスの合宿としても聞いていた。以前に行われたガッタスの合宿は、SOG1でメンバーが熱く語っていたが、メンバー同士がガッタス愛を深めたそれは熱く濃密なものだった。しかし、ハワイツアーの内実は、内輪の合宿の要素などなくて、完全な仕事であった。第一回目の合宿のようなものを想像していた藤本の期待は、全く裏切られたわけだ。
そんな藤本が願ったのは、せめてガッタスメンバー+ガッタススタッフだけでの食事会だった。あさみ、みうなの卒業もあるので、スケジュール的にもメンバー全員集まるのはこのハワイツアーが最後のチャンスだった。しかし、なかなか聞き入られることはなかった。
そして徐々に不満が募っていった藤本は、例の不機嫌モードに入り、誰とも口をきかないし、なんと食事を一切口にしないことで反抗した。メンバーは様子に気付いていたが、誰も恐れて近づかなかったらしい(藁) そこで吉澤が代表として話を聞き、ついに食事会は実現し、藤本の希望通り再びガッタス愛は深まり、一応めでたしめでたしの結果には至った。


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藤本の毒に当てられた俺なんかはこういう話を聞くと、めちゃくちゃ可愛いじゃねえかなんて思ってしまうんだが。そして羨ましくもある。俺なんか藤本みたいな希望があっても、業務命令だったら自分の思いを押し殺して何事もなく過ごしているだろう。北澤監督は言う。藤本みたいなメンバーがいるから、ガッタスの思い出は、忘れられないほど濃くなる。(里田なんか、ややうざがってる様子だったがw)


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藤本美貴はこんな人だから、明日朝起きてみたら、「結婚します」なんて会見開かれていてもおかしくない。ブブカショックを耐え抜いた俺だが、さすがに結婚されたらヲタ廃業するしかない。藤本に限った話ではない。愛が何よりも大事の恋愛至上主義の価値観は、映画などでごくありふれているじゃないか。女性にとって、仕事より恋を選ぶ、そんな日がいつ来てもおかしくないのだ。
辻を叩いているモーヲタには覚悟が足りない。ヲタとしての「死」を想定したことあるか。それすらせずに推しメンを真に見つめているといえるのか?


モーヲタよ「死」を覚悟しろ!!そのとき、健全なるヲタ愛は生まれるはずだ。